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2012-07-21

120715 笠取山

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多摩川源流のみち

行先探して地図と睨めっこ。気温上昇が見込まれたため、標高は2000mを目標。アプローチは川沿いの涼しい森林で、上部は見晴らしがよいという条件で探してみた。笠取山の周辺は東京都の水道水源林であり、東京都水道局が登山道を整備してるとのこと。訪れると、とても水が豊かなところだった。

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スタートは作場平から。このあたりは一之瀬高橋と呼ばれ、青梅街道から峠を越えるか、深い渓谷にへばり付くようにつけられた道を辿らなければ来られない場所。そんなところに集落が拓かれている。何らかの理由がなければこんな山奥(失礼!)に住み着くとは思えないのだが、この土地の歴史を紐解くと、ちゃんとした理由があった。

『一ノ瀬高橋の歴史』によれば、戦国時代には付近にある黒川金山が最盛期を迎えており、ここで働いていた人々の耕作地として使われていたらしい。確かに周辺には耕作に適した平坦地が少なく、一之瀬高橋の比較的穏やかな地形は貴重なものだったのだろう。作場平という名前も、作場が『耕作する場所』という意味であることからして納得がいく。

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いきなり苔ワールドの登場である。道はしばらく一之瀬川沿いに進む。この森はとても湿度が高いようで、川から離れた場所でも苔がとても元気がよい。さすが水源の森である。道幅は広く、地面も柔らかいので次男も安心して歩かせる。今日は距離も標高差も前回の倍以上あるので、あまり無理はさせられない。

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曇天で日差しが弱いので助かったが、これが真夏の太陽が出ていたら、高湿度と相まってサウナになりそうだった。

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このような橋を何度となく渡る。どれもきちんと整備されていて危険は無かった。

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そして、本流以外にもこのような小さな支流があちこちに流れている。またそれぞれの流れには趣があって飽きさせない。

笠取山に至る道は、ヤブ沢峠を経由する道と一休坂尾根を経由する道がある。現地の看板には前者のほうが距離はあるがなだらか、後者は少し急で下山向きとあった。が、これにはちょっと疑問。脚に負担がかかる下りこそなだらかであるほうがよいのでは?

次男は距離にして1キロ、標高差100m登ったところで『おんぶ』が出た。ちょっと早いとは思ったが、背負った。というのも、前回の入笠山で結構脚に来たため、少し重荷を背負って歩くトレーニングがしたかったから。しかし合計25キロのザックはキツい。冬場泊まり装備で板ブーツを背負っても20キロぐらいなので、それよりも重い。

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峠が近くなるとやっと登山道らしい道になった。

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ヤブ沢峠に出ると、林道に合流する。この道は笠取小屋までつながっていて、関係者は軽自動車で乗り入れているようだ。逆方向は柳沢峠までつながっているらしい。MTBツーリングをしたら楽しそうなルートだ。

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笠取小屋到着。裏手には木陰の涼しそうなテントサイトがあり、すでに2,3張設営されていた。この3連休を利用して縦走している人たちだろうか。そんな山行もしてみたい。いつか家族5人でテン泊山行なんてできる日が来るだろうか。

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笠取小屋を過ぎると草原を歩く道になり、視界も開ける。いくつかのコブをこなすと、ようやく目の前に笠取山が現れる。

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そしておそらく笠取山の山行を取り上げたブログの99%は載せているであろうこのアングル。急斜面を一気に駆け登る登山道。しかしそんなに驚く斜度ではない。山滑りをする僕らにとっては、対斜面のマジックは見慣れたもの。

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とはいえ、登りはやっぱりキツイ。特に重荷を背負っている者にとっては。長男はゴールが見えた途端、俄然やる気が出てハイペース。全くついていけない。しかもジグザグのルートもあるにもかかわらず、直登ルートを選択。後ろからサポートするため、こちらも後を追う。頂上直下10メートルは手を使わないと登れなかった。

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頂上は岩がちであまり広くはない。

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展望は雲のせいで遠くの山を見通せなかったが、眼下に広がる青々とした樹海は見事だった。やはり水源の森としてふさわしい規模と密度だ。

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山頂の先はやせ尾根の縦走路になっている。

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頂上付近で見つけた岩。何層にも重なった独特の模様をしている。ほかにも同じような岩があった。この付近の沢が源流にもかかわらず砂がちなのと何か関係があるのだろうか?

山頂には誰もいなかったのでそのままお昼にしようと考えたが、少し風が強かったのと、万が一のアクシデントに備えて『小さな分水嶺』という小高い丘まで戻ることにした。

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小さな分水嶺というのは、この丘を境に3方向に流れ着く川が分かれている場所で、それぞれ多摩川、荒川、富士川となっている。手前の小さな石碑に川名が記されている。気持ちの良い場所で1時間半ほど長居をしてしまった。

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帰りは笠取小屋から一休坂尾根ルートを下る。小屋の直下に水場があり、かなりの水量の湧水が出ていた。稜線からそれほど離れていないにもかかわらずこの水量は立派。

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こちらのルートは最初は沢沿いに進むものの、しばらくトラバースして尾根に乗り、カラマツ林を経てミズナラの森に入っていく。往路とはまた違う雰囲気で楽しい。しかしここへきて足元はかなり怪しくなってきた。ザックの重みを腰で受けているために肩は楽だが、脚への負担が甚大。歩幅を狭くしてゆっくり下る。

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ミズナラの大木が立ち並ぶゾーンに突入。夕方で辺りが薄暗くなることによって、より一層重厚な佇まいになっていく。

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中には樹齢300年の老木もあったが、残念ながら枯死しているようだった。

人も少なく、時間的にも獣が活発になりそうだったので、少し声を出しながら歩く。少し急になった道をどんどん降りていくと、意外と早く往路に合流した。

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あとはほぼ平坦な道を駐車場まで戻る。

ようやく重荷から解放された。距離10キロ、標高差650mの初心者向けコースながら、なかなか歩き応えがあった。往路・復路でルートを変えれば水も森も楽しめるいい山だった。

最後にトラックデータ。

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コメント

けっこうハードな行程だったのでは?おつかれまさ。

斉木林道、今は整備されているのだね。廃道状態の頃、何度もチャリで走ったなあ。懐かしい。この辺りのほとんどのルートは通ったことがあるけど、今は随分と良く整備されているのだなあ。

この付近の沢に砂が溜まっているのは、花崗岩質の岩が多く、風化して粒状になっているため(マサ、真砂土)。余談だが、その中の雲母が金色に光っているので「砂金か?」と思ってしまったことがある(甲州には金山もあるし)。

写真の岩も結晶質の粒粒が見えるような気もするけど、縞状の構造が熱や圧力の変成作用によるものみたいなので、ホルンフェルスかなあ。

投稿: えむとら | 2012-07-21 12:10

>えむとら

ども。うん、確かにそれなりの時間がかかったね。周辺は東京都水道局が積極的に整備しているらしい。道幅も広かった。その割にはハイカーは少なかったな。シーズンは春と秋なのかも。雪が付けば笠取山直下のスロープは楽しそう。

>写真の岩も結晶質の粒粒が見えるような気もするけど、縞状の構造が熱や圧力の変成作用によるものみたいなので、ホルンフェルスかなあ。

さすが専門家。ただ単に層になっているだけじゃなくて、褶曲しているのがなかなか興味深くてね。岩石図鑑が欲しい。

投稿: ritz | 2012-07-22 10:40

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