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2013-04-07

130405 小松原湿原・黒倉山

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ウロコツアーデビュー。

前回は滑り系のツアーだったので、今度はのんびり歩きたくなった。そろそろウロコ板を使ったツアーにも行きたかった。そんなわけで緩やかなルートを探す。ついでに神立ナイターを滑りたかったので湯沢周辺で探してみるが、急峻な山並みが多いエリアとあって適当なルートが見つからない。少し視野を広げてようやく、津南町にある小松原湿原が目に留まった。

神楽ヶ峰から続く山々から北面に広がるなだらかな斜面は、山スキーのクラシックルートとして知られている。実際、かぐらスキー場を起点としたツアー報告はいくつも見かける。しかし、かぐらスキー場からだとリフト営業時間に縛られ、地形的にもウロコツアーとしては面白みに欠けると思われた。そこで、津南側から登り、黒倉山を目指すことにした。歩き系といっても標高差は1000mある。まぁ、片道10キロを超えるのだから、平均勾配は1%以下だが。

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早朝、ニュー・グリーンピア津南スキー場に物好きな3人が集まった。前回と同じくえむとらとmaloさんが参加。みんな寝不足だった。距離を警戒していたえむとらには細板(ロシB2,160cm)を貸出し。maloさんは細革テレで挑むという。僕は強い決意(?)でシールは持たず、だめならツボで登る覚悟をした。

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スキー場の営業開始(8:30)を待っていられないので、脇を走る道路の除雪最終地点付近まで車を入れ、そこから登り始める。この先すぐ初心者迂回コースに合流し、基本的にはそのコースに沿って登っていく。時間は午前6時。

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ピシっと圧雪された雪面は気持ちがいいが、朝方の冷え込みで凍っているため、ウロコには非常に厳しい。大したことない斜度でも滑りまくる。コース脇の汚れた雪はほどよくグリップするので、なるべくそちらを通る。それでも斜度が上がるとスリップするため、ジグ切りを余儀なくされる場面もあった。

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1時間弱でスキー場トップに到着。これから目指す雪原、山々が一望できる。想像に違わぬなだらかさだ。そして遠い。

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スキー場のすぐ上は広大な耕作地帯になっている。夏は何を栽培しているのだろう。津南町の主要な作物はアスパラガスらしいが、ここもそうなのか?雪は緩んで歩きやすくなった。

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距離にして1.5キロほど歩いてようやく耕作地帯を抜けると、山らしいブナ林の登場となる。夏道に沿って尾根上を歩く。快適な斜面だが林相が単調で長いため、少々飽きてくる。

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下ノ代が近づくと、関田山脈の見事な山並みが目を引く。信越トレイルとして有名だが、あれをスルーハイクしたいという気持ちはよくわかる。ちょっと日本離れした景観だ。

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下ノ代到着。大雪原というわけではなく、小さな雪原の集合体のようだ。3つある湿原(下ノ代、中ノ代、上ノ代)のうち、個人的には最も雰囲気が良いと思った。テント泊するならここがいい。

さて、今回はウロコ板どころか、テレ板での初ツアーだ。登りに関してはブーツがアルペンよりも格段に柔らかくカフの高さも低いので楽だ。ブーツ(SCARPA T2)はハイクモードとスキーモードを切り替えることが出来るのだが、終始スキーモードで使用した。それでも十分歩きやすかったし、せっかく登り/滑りがシームレスなウロコ板を使っているのに、いちいち切替たくなかったからだ。

クライムサポートについても出来るだけ使いたくなかった。しかし、急な登りが続く場面では使用しないと厳しい。気温が上がって雪が柔らかくなってくると、ウロコだけでも10°ぐらいの斜面は直登できるが、それ以上ではジグを切る。普段直登好きな僕としては歯がゆく、精神的に疲れた。

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下ノ代でしばらく休んだ後、中ノ代を目指す。ここのブナ林はなかなかツブが揃っていて美しい。事前の見積もりではここが斜度的に一番きついと予想していた。幅のある尾根で数回ジグを切って何とか乗り切る。

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中ノ代への最後の登り。針葉樹も混じり、少し高山の雰囲気が出てきた。

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正直なところ、中ノ代は印象が薄い。規模的が小さいのと、目の前に見える台地(上ノ代)へ向かう気持ちが強く、ささっと通過。

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上ノ代は広大な雪原となっている。夏には池塘群が現れるらしい。ここまで来ると目指す黒倉山も近い。

実はここからがこのルートの核心なのだった(ウロコ的には)。

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予想していた通り、黒倉山の北面は疎林の滑り頃な斜面だ。斜度もそんなにあるわけではない。しかし、標高が高くなってきたこともあり、雪が硬め。木陰はまだアイスバーン状のところもある。シールだったら全く問題なく直登できるところを、より登りやすい斜面を求めて彷徨っていく。中々高度が上がらない。

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斜面は抜群にいいのだが...。もちろんツボ足直登が正解だが、ここまでウロコで来ている以上、頂上まで板を脱がずに行きたいという予想通りの展開。ほとんど水平なトラバースをエッジの食い込まない斜面で強要される。しまいには階段登高になる。これが非常に疲れる。

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あと数メートルが遠かった。ヘロヘロになりながら頂上へ。

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頂上からは苗場山北面がばっちり。滑走欲をそそる斜面もあり。

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裏岩菅山・烏帽子岳方面。こちらも一度行ってみたい。

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風もなく、頂上でお昼。昼寝していると体力・気力とも回復してきた。朝バタバタして朝食が少なめだったのもマズかったかもしれない。少しハンガーノック気味だったか。

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そろそろ行きますか!

と意気込んだものの、中ノ代あたりまでは滑りにならなかった。頂上直下は日当たりの良い斜面を選んだので雪は柔らかかったが、板を回しこむには抵抗があり、エッジコントロールが難しい。アルペンならともかく、怪しいテレ技術しかない僕は為す術なく転倒。久々に雪まみれになった。

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えむとら。細板に開眼したか?軽快に下っていく。

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細革でも攻めるmaloさん。うーむ、さすが。

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中ノ代より下は滑りやすいザラメ雪になっていて、ようやく滑りを楽しめるようになった。明るい沢状の地形を下る。気分を良くして、良さそうな斜面をささっと登って滑ったりした。ウロコの本領発揮だ。この軽快感はやみつきになる。

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耕作地帯に戻って一息。今日も良く歩いた。

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最高に滑りやすかったゲレンデ。お疲れ様。

さて、今回のウロコツアーデビュー。ツアーを通じて感じたのは、滑り系のスキーヤーこそウロコを履くべきだということ。

大きな標高差を一回滑るのもいいが、気になる斜面をつまみ食いするのもなかなか充実感がある。ツアー中は、『ここ良さそうだよね、ちょっと登って 滑ってみる?』とか『この先また登りになるけど、一旦シール脱いで滑る?』といった場面によく遭遇するが、シールの脱着が面倒で諦めることが多い。ウロコ を履いていればそんな場面でも滑りを楽しめるのだ。

滑って楽しそうな小さな斜面はそれこそ無数にある訳で、それを掻き集めたほうがよっぽどシアワセな山も沢山あるだろう。そう考えると、せっかく踵が上がって歩きやすいテレのこと、基本的にウロコでいいんじゃないかとも思えてくる。スピードや悪雪、急斜面への対応はどうやったってアルペンに負けるわけ で、テレはその特性を最大限に生かした、アルペンに真似の出来ない遊び方をしたほうが楽しいというのが個人的な思いだ。

もちろんウロコ登高には雪質や斜度を選ぶが、ウロコがついていて損は無いと思うのだ。フラットソールに比べたら滑走性は落ちるだろうが、メリットのほうがよっぽど大きい。ウロコ=歩き系という図式が成り立つのは、今までそういう板しか出ていないからであって、今後ファットウロコが増えればまた違ってくるだろう。そんなわけで、Voileあたりのファットウロコが気になっている。

最後にトラックデータ。

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コメント

初めまして
大阪在住の主将と申します。
IWAさんのブログをよく見ていた時代から拝見しています。
僕もウロコスキーを1本持っています。
去年初めて使いましたが登りではなく、下りの登り返し部分で楽になるのが快感でありました。

今年は全く山スキーに行けてませんので、来季は構想を再構築したいと考えております。

津南は、学生時代スキー部だったので合宿した事がありますが、こんな素晴らしいツアーコースがあるとは夢にも思いませんでした。

いつの日か、こちらの方にも足を向けたいと思います。
またお邪魔します。

投稿: 主将 | 2013-04-08 22:33

>主将さん

はじめまして。コメントありがとうございます。ウロコいいですよね。僕はまだまだテレ技術が未熟なため、ウロコの良さを最大限には引き出せていないのですが、それでもとても楽しかったです。

ウロコがあるとツアーコースのバリエーションも増えるし、山の楽しみ方の幅が広がった気がします。

津南周辺は私はほとんど行ったことが無かったのですが、他にも良さそうな山が沢山ありますね。

これからもよろしくお願いします。

投稿: ritz | 2013-04-09 00:24

すみません。
一つお伝えするのを忘れていました。

終始スキーモードにされていましたが、僕は常にウォークモードにしています。
と言いますのは、テレはリードスキーで足が前に出ないと、テールスキーで板を踏み込めないので、この形がベストだと思います。

一度お試し下さい。
僕もT2Xですが、どんなにスピードを出す時でもウォークモードにしています。

投稿: 主将 | 2013-04-10 23:11

>主将さん

なるほど、ウォークモードにすることで足首を前後に動かしやすくしておく訳ですね。
アドバイスありがとうございます!今度やってみます。

投稿: ritz | 2013-04-11 22:33

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