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2013-05-16

130514 富士山(須走口)

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あの大斜面へ。

須走口には素晴らしい大斜面があるという。沢状地形で大きな斜面は他にもいくらでもあるが、フラットでワイドな一枚バーンとなるとそうそうあるものではない。大きな山体をもつ独立峰の火山ならではの斜面を滑りに、好天を狙って訪れることにした。

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当日午前0時過ぎに須走口駐車場に入り仮眠。当初は中腹でご来光を迎えようと考えていたが、頂上到着が早くなりすぎることを懸念して日が昇ってから出発する。

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ゆっくり支度をしていたら出るのが少し遅くなってしまった。午前5時過ぎに駐車場発。事前の情報では標高2400mから雪上に出られるとのこと。まずは標高差400mの地道歩きだ。

今回は富士山マイスターのえむとらも同行する予定だったのだが、残念ながら事情によりキャンセル。事前に須走口の情報を提供してくれた。感謝!基本的にブル道を登っていけばよいとのこと。迷うことは無さそうだ。

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余計な荷物は持ちたくなかったので、アプローチシューズは使わず、兼用靴のまま登る。バルカンはバックル全開にしておけば、特に苦労することなく登っていける。目の前に目指す斜面が見え、モチベーションも高い。

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予定通り標高2400mで雪の上に出る。しばらくはシールで歩けそうでほっとする。今回はハイシーズンと変わらずSPORTEN WEEDを持ってきた。ここ富士山まで使うことができれば、パウダー期から残雪期まで使える真のオールラウンダーと言えるだろう。

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あとはひたすら直登あるのみ。上部の雪は白く輝いているが、下部は薄汚れている。多少凸凹しているものの柔らかく、滑るのは問題ないだろう。

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斜度が増してもただただ直登していく。クトーを持っていないため、トラバースはあまりやりたくない。シールのグリップを最大限に生かすためにも直登なのだ。雪はほどよく緩み、スリップすることもなかった。結局標高3400mあたりまでシールでこなした。

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その3400m付近。実は遠くに山頂直下の鳥居が見えている。ここからが長いのだ。今回も高山病にはならなかったが、3400m~3600mというのは精神的にも体力的にもキツい。マラソンで言えば35キロの壁のようなものか(走ったことないけど)。

このあたりから斜面をトラバースする必要があるため、アイゼンに履き替えた。雪はまだ柔らかくシールでも行けそうだったが、急に硬い雪が出て来る可能性もある。安全マージンをとった。

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足元の雪はフィルムクラストしている。これは条件が良さそうだ。

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歩みを止めなければいつかは到着する。ここまでの無事を感謝し、この先のシアワセを願いながら鳥居をくぐった。

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10時過ぎ着。この時点で山頂付近の雪はザクザクになっている。アメダスでは-0.9℃。暖かい風と相まって緩むのが早かったようだ。

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剣ヶ峰方面。お鉢滑りには十分の積雪。ただ、雪が新旧まだら模様になっている。

頂上は風もなく暖かいのでのんびりしようかと思っていたが、少し前から小さな雲が湧き出している。富士山の場合、予報が快晴でも雲にまかれてしまうことも多い。今日は麓の気温は初夏並ということで、大気の動きも活発になりそうだった。そのため、早めに降りることにした。幸い雪は緩んでいる。

さて、悩むのは滑走ルートだ。登りに散々見てきているとはいえ、どこも素晴らしく悩ましい。さすがに登り返して滑るつもりはないので、どれか選ばなければならない。候補は3つあった。

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①下山道の大斜面

頂上からまず大きく見える魅力的な大斜面。ただし、若干沢状地形になっているのと、須走のフラットワイドバーンに出るにはトラバースしなければならない。

②岩稜帯北側に沿って

ここは上部もフラット。エントリーポイントからは下まで見えないが、そのままフラットワイドバーンへ至る。標高差が大きく取れて一気降りができる。結局このルートを取ったが、滑った感じでは上から下まで1枚バーン。

③岩稜帯南側に沿って

下部のフラットワイドバーンは約束されているが、上部はやや細く屈曲している。次回は滑ってみたい。

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エントリーポイントから。いいから飛び込めと。

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一気に標高差400m落として振り返る。最高のザラメバーン。一面真っ白で遠近感なし。

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で、この先もこんな感じ。とにかくフラット&ワイド。

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もう一本落として振り返る。どうしても同じようなショットになってしまう。

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そしてまだこの先も続く。標高2800mまでは綺麗な雪面で快適なダウンヒルが楽しめた。

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そしてようやく汚れ雪地帯へ。

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あとは滑りの余韻に浸りながら地道を下山。砂埃を上げて下るので、濡れたブーツとパンツの裾は砂まみれになる。

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正午には駐車場着。山頂付近は随分雲が出てきた。早めに行動してよかった。

富士山須走口。噂に違わぬいい斜面だった。気持ちよさは鳥海山南東斜面と肩を並べる。単純な規模比較ではやはり富士山のほうが上か。今回滑ったのはその広大なバーンの一部でしかない。他にも様々なルートを取ることができそうで、今後も楽しみだ。

最後にトラックデータ

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◆本日のインプレ

・SPORTEN WEED 182

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雪のコンディションが良かったこともあり、気持ちよく使えた。ハイスピードでも安定し、操作性の高さも抜群。滑走を最重要視するのであれば、春でもこの板がいい。細板を用意する必要性を感じないほどだ。シーズンを通して様々なコンディションで使ってきたが、ようやく求めていたオールラウンド板を手に入れられたと感じている。

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コメント

あ、なるほど。そのラインね。
ベストかもしれない。
トラバースとかがなくていいんだけど、エントリー部の雪消えが早いので、たいてい下山道側を少し落として岩稜の切れ目から入り込むようになってしまう。雪の多い時期はカキカキのことが多いし。
今回の雪の緩み方は、5月前半としては相当ナイスだったように思うね。おめでとさん。
やっぱり次は北面か?(ネタ系はおいといて)

投稿: えむとら | 2013-05-17 02:40

>えむとら

いやぁ、えむとらのアドバイスのおかげです。
なるほど。確かにエントリー地点の周辺は雪薄いように思えたね。ということは、須走口は5月前半の夏日を狙えということか。

北面も良さそうだね。例の、滑走コースが下まで丸見えってのに行ってみたいねぇ。

投稿: ritz | 2013-05-18 05:10

補足情報

ブル道の登り(歩き)は2400mを越えるとけっこうきつくなってくるので、雪線が2600m以上へ後退してしまったら砂走り下山道の方へ回るのがオススメ。沢筋の雪はしぶとく残りシールも活用できる。
2800mまで行っちゃったら登山道歩きで七合目まで。これも最初から登山道をいくとえらい目にあうので、ブル道行って砂払五合の前後で適当に渡る。それでも樹林帯通過部に残雪があったりすると苦労する。
マニア向けには、岩稜帯の直登プランもある。これはこれで個人的には好きなのだが、シューズのソール消耗が激しいので他人にはオススメしない。

ってとこかな (*^^)v

投稿: えむとら | 2013-05-18 14:10

たしかに今回以上に雪渓が後退してくと、道が急になりそうだった。

>2800mまで行っちゃったら登山道歩きで七合目まで。

そこまで行ったらアプローチシューズあったほうがいいよね。

ところで除雪作業っていつごろから始まるのかな?

投稿: ritz | 2013-05-18 22:15

除雪は、残雪量によるのかはっきり決まってないけど、たいていは6月に入ると始まる感じ。須走口では、近年七合目大陽館が6月頭からプレ営業していて、そこまでの除雪は早めにやってたように思う。

投稿: えむとら | 2013-05-19 13:33

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