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2014-04-01

140401-03 櫃取湿原・青松葉山 -第1日-

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憧れの地へ。

2011年の春、少し長い休みがとれそうで計画した東北スキー山旅。残念ながら震災により実現しなかったのだが、当時行き先候補に挙がっていたのが岩手県東部の北上高地にある青松葉山だ。北上高地の山となると、まず早池峰山が浮かぶ。しかし根っからの天邪鬼の僕にとっては、マイナーでありながらとても特徴的に思えるこの山と周囲の丘陵地帯の方が魅力的に思えた。

少し記録を調べてみると、青松葉山に夏道は無く、県道の冬季通行止め解除に合わせて残雪期に登るのが主流らしい。しかし、その時期になると雪も少なくなり、スキーでの行動範囲が狭くなってしまう。そして青松葉山以外にも同程度の標高を持つ無名のピークがいくつも連なっているので、そこを歩き通したいという気持ちもあり、もう少し雪の多い時期にテント泊で訪れたいと考えていた。

当時はまだテレマークをやっていなかったが、ここに行くならウロコテレだろうなという気持ちはあった(道具は持っていた)。そんなこともあり、昨シーズンからテレ修行を開始。この春ようやく準備と天候のタイミングが整い、ついに訪れることが出来た。大まかな計画は次のようなものだ。

  • 1日目…区界高原から兜明神嶽、岩神山、そして北東に伸びる稜線を経てノロメキ沢源頭の櫃取湿原へ。周囲の山を滑ってテント泊。
  • 2日目…櫃取湿原からノロメキ沢を下り、青松葉山へ。周囲の斜面を滑って山頂泊。
  • 3日目…青松葉山から東方へ縦走、サクドガ森を過ぎたジャンクションピークから南下し、旧川井村の川内地区へ下山。JR山田線で戻る。

穏やかな丘陵地帯を滑ることに加え、区界から川内までスキー縦走するということも楽しみであった。

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今回は3日間フルに使う日程のため、前日夜に盛岡入り。駅前ホテルに泊まって、翌朝始発のバス(106急行)で区界へ向かう。106急行は盛岡と宮古を結ぶ主要交通手段で、1時間1本の割合で走っている。

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40分ほどで区界に到着。区界峠の直前まで路肩にほとんど雪が無く、どうなるかと心配したが、トンネルを抜けると全く雪の量が違った。バス停は道の駅の前にあり、その道の駅の裏手からすぐに歩き出すことが出来る。

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夏は放牧地になっている斜面からスタートだ。前方に最初の目標地点である兜明神嶽のピークにある岩場が見える。

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先ほどは雪の量が心配だったと書いたが、実はそれほど心配はしていなかった。というのもこのアメダスのおかげである。元々豪雪地帯ではないエリアのため、残雪量がツアーの成否に大いにかかわる。雪が十分ありながらウロコが効く気象条件となるタイミングを見計らっていたのだ。

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とは言っても早朝の雪は硬い。少し斜度がきつくなるとウロコでは太刀打ちできない。早々にシールを装着することとなった。

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背後にはずっと早池峰山が見えている。

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放牧地帯を過ぎ、小さな沢と林を抜けると、またオープンな斜面に出る。斜度もそこそこあるこの雪原は、かつてのスキー場の跡だ。ここをシールのグリップを生かして直登していく。おそらく草刈をちゃんとしているのだろう。普通のスキー場と変わらない整備状況(?)である。クロカンのものとみられるトレースもある。

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ここは峠も近く、少し標高を上げるだけで眺望が良い。振り返ると、遠く霞んで鳥海山の姿が望まれた。

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そして兜明神嶽の山頂岩場は林の中にあった。景色が見たくて立ち寄ってみる。岩場のてっぺんに立たずとも、東から南の眺望抜群。

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岩手山。

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雫石スキー場と秋田駒ヶ岳。

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早池峰山はより眼前に。

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リフトの遺構らしき構造物はゲレンデトップの証。ここから岩神山との鞍部へ向かう。

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所々に広場のような雪原がある。この周囲は区界高原少年自然の家の活動エリアで、スノーシューやクロカンで訪れる人も多いようだ。

この先、岩神山の中腹あたりで両足踵の靴擦れが気になってきた。BCクロカンブーツではいくら歩いても大丈夫だったが、テレ革靴は少し硬いせいか擦れてしまったようだ。先は長いので大休止。靴を脱いでソルボバンで手当てをしておく。最初から貼っておけばよかった。

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リスタートしてまもなく岩神山の頂上へ。大きな鉄塔が目印。管理用の林道も上がってきているので、あまり山の雰囲気は無い。

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ここでようやく目指す方面の山々が見えるようになった。奥の頂上部に常緑樹が載っているのが青松葉山だろう。

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岩神山から先は放牧地。ちょっとだけ滑ってみた。

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人工的に作り出された景観とは言え、気持ちの良い場所。手ごろな斜度といい、もっと滑りたくなってしまう。

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なぜ、いい感じで木を残すのか?牛が木陰で休むためなのか?ここをずっと繰り返し滑っていたい気持ちを抑え、黙々と進む。

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放牧地を過ぎると、裏手はダケカンバの原生林だった。これまたナイス斜度、ナイス樹間。ノロメキ沢源頭に降り立つまで、このような斜面の登り降りを繰り返す。足元がシールなのが残念だ。というのも、弱い冬型の気圧配置の影響で冷たい北西風が吹いていたため、雪が緩んでくれなかったのだ。加えて稜線上は風の影響で雪面が荒れ気味だった。

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そしてようやく降り立ったノロメキ沢源頭。異様な雰囲気に圧倒される。囲まれ感がありながら、妙な開放感。これだけベターッとした山なのに背後に他の山は全く見えず、かといってテーブルマウンテンの頂上にいる感じでもない。今もって正確に表現できない別天地が広がっていたのだった。

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収まりきらないがパノラマ(クリックで拡大スクロール)。

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ここでようやくシールを剥がす。今回は滑走具に最後まで悩んだ末、3pin革テレ。この選択で間違いなかった。様々な雪質に安定した対応力を見せてくれた。

足元が身軽になり、滑るための斜面と泊まるための場所を探しに歩き回る。滑るには適度に雪が緩んだ南斜面が良いので、北方にある1222mピークと1261mピークへ。どちらともほぼ全山ダケカンバの原生林。ブナは頂上付近に少しある。一方、沢筋まで降りてくるとまた樹種が変わる。

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1261mピークから北を望む。延々と続く北上プラトー。北面はすこし斜度がある。パウダー期ならサラッサラの雪質が期待できそうだ。

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対する南面は早池峰山を望みながら庭園のような斜面を下る。

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言うことなし。何度でも滑りたい。

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異様な存在感のある木。何の木だろう?

テント場は最後まで悩んだ。平坦な沢沿いは少し風がある。一方、風を避けると樹林帯になり、日影も多くなる。フラフラしているうちに櫃取湿原へ。そこでようやく風も防げてそこそこ開放感のある場所に決めた。近くに雪解けの流れが出ていて、水の調達にも困らなかった。

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今回もまたクフキューベン。設営のコツもわかってきて、室内を広く使えるようになってきた。

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テントの設営を終え、周囲を散策する。湿原は一部雪融け。もう少し遅い時期になれば、水芭蕉が咲き誇るらしい。

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バオバブの木。

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テントの中は日が当たると温室のように暖かかったが、日が傾くと急に冷えてきた。夜はこの時期にしては冷え込み、テント内の最低気温は-5℃。今回、背中側が開いたキルトタイプのダウンシュラフ(katabaticgear Palisade 30°F)を持ってきたが、寒くて何度も目が覚めてしまった。断熱性能の高い山と道のマットを使っていても、背中側の冷えは防げなかった。

キルトタイプだとマットとシュラフの間の隙間を完全には防ぐことはできないため、冷気の侵入を許してしまう。また、普通のシュラフで背中側のロフトが潰れてしまうとは言っても、何もないよりは暖かいと思われ、総合的に考えると薄手でも普通のシュラフのほうが暖かく過ごせるような気がする。

もちろん、キルトを使っても、シュラフとマットの間に隙間ができないように気を付けたり、寝返りの方法を工夫したりして改善することは可能だろう。ただ個人的にはそこまでするなら、何も考えずに潜り込める普通のシュラフが使いやすいと感じた。キルトと同程度の重量のシュラフで試したいものだ。

ノロメキ沢源頭は想像以上にすばらしいところだった。明日はいよいよ青松葉山だ。

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本日のトラック(前半)。

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本日のトラック(後半)。

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