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2014-04-02

140401-03 櫃取湿原・青松葉山 -第2日-

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青松葉山プライベートゲレンデ。

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眠りの浅かった夜が明けた。山に囲まれたテントサイトにようやく日が射したのは6時前。空気はまだ冷え込んでいた。急ぐことも無く、暖かくなるまでのんびりと過ごす。

昨日まで吹いていた北寄りの冷たい風も収まり、少し暑くなりそうな気配。今日狙うのは青松葉山山頂付近の斜面。等高線を見る限り、そしてこの周囲の植生から察するに全方位滑り頃の斜面だろうが、特に南面が気になる。

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午前8時過ぎ、テント撤収。雪がカチコチでアンカーを掘り出すのに非常に苦労した。積雪期はExpedのExped Snow & Sand Anchor(廃番?)という布状のアンカーを使っているのだが、雪が締まると非常に効きがいい反面、深く埋めてしまうと厄介だ。

クフキューベンのように非自立型だとアンカーに強めのテンションをかけなければならない。昼間のズブズブ雪では緩めに張って、雪が締まりはじめたら増し張りをするなどの工夫が必要だろう。

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まずは湿原の中を下って行く。しばらくシールの必要は無さそうだ。

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15分ほど歩くと湿原の入口に到着する。ここには看板と散策路の順路を示すためか番号札が立っている。夏の時期はここまで車で入れるようだ。ここから先は放牧地帯となる。

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再び湿原方向を振り返る。一晩の宿をありがとう。次回訪れる時は、もう少しじっくり周囲の山を滑ってみたい。

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放牧地帯を走る道跡にスキーを滑らせていくと、冬季閉鎖中の県道に出た。2週間後には開通するはずの道は、除雪が進んでるかと思いきや全く手つかずだった。例年を知らないので積雪が多いかどうかは判断しかねるが、1m以上はあるようだ。

ここから県道を辿っても良いのだが、地形図で見た西尾根が登るのにも滑るのにも楽しそうに思えたので道を横切る。

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県道沿いの川は水量が多く渡渉不可だったので、シールをつけ、県道沿いの尾根に登り上げて沢の上流から回り込むことにした。ここもまた放牧地帯。

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尾根なので展望がとても良い。どの方面も緩やかな山々が続いている。

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適当な場所で沢を渡ってお目当ての西尾根へ。想像通りの巨木の森だった。こんな森を独り占めしてゆるゆると登って行くのは最高に気分がいい。無心になって進んでいく。

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最初は広大な平面状だった西尾根も、高度を上げるとようやく尾根らしい形状になってきた。(クリックで拡大スクロール)

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そして山頂部が近づくにつれて特徴的なのは、針葉樹(アオモリトドマツ)が混じってくることだ。山名の青松葉とはこのアオモリトドマツのことを指す。標高を上げると針葉樹に変わるというのは良くある植生だが、本当に山頂部のわずかなエリアに限定され、他には全くと言っていいほど生えていないというのはどういう理由だろう?

気象条件が原因であればもう少し植生の境界がぼやけるような気もする。また、同じような標高でもアオモリトドマツが生育していない場所もあるので、気象条件以外の条件、例えば土壌の影響でもあるのだろうか?

少し調べてみると、日本植生史学会で公開されている研究報告の中に、まさに青松葉山山頂部の植生について扱った研究があって興味深い。報告によれば、青松葉山のアオモリトドマツの群落はここ1000年以内に成立したものらしい。

北上山地中央部の亜高山帯域における完新世中期以降の植生変遷

つまり、群落の歴史は浅いというわけで。まだまだ拡大途上なのかもしれない。

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ここへきて久しぶりに早池峰山が見渡せるようになった。(クリックで拡大スクロール)

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山頂到着。味のある標識があった。山頂は展望が無いと聞いていたので鬱蒼とした森を想像していたが、明るくて気持ちの良い場所だった。樹間は広く、少し歩けば展望もある。

さて、お待ちかねの滑走タイム。登ってきた西尾根も素晴らしいが、眼前に広がる南面ツリーはそれ以上に魅力的に映った。雪は十分緩んで滑りやすいはず。基本的に疎林で、ところどころぽっかりと広場のようにプチオープン斜面が点在する。

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メインザックを山頂にデポ。サブザックに必要なものを詰めてひと滑りする。すぱらしいザラメ雪。斜度もそれなりにあり、気持ちよくテレマークターンが決まる。

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標高差250mほど落とす。下部もダケカンバ疎林で適度なうねりがあって面白い。だんだんと雪が重くなってきたところで止め、登り返す。

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登り返しはテント場の偵察を兼ねている。なるべく山頂付近で展望があり、プライベートゲレンデとなる斜面を従えている場所を探す。すると山頂から南東方向へ少し降りた尾根上に好適地が見つかった。

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テントを設営する前に2本ほど滑る。緩斜面から中斜面へ変化する標高差50mほどのプライベートゲレンデ。点在する樹木がいくつかのコースを作り出している。雪質もよい。ココに決めた。

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テントは早池峰山を正面に見据える一等地。今朝の経験を生かしてアンカーは浅めに緩く張っておく。

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テント設営が終われば再び滑走タイム。次第に日が傾いて雪面はフィルムクラスト化してきていた。

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この時間になると森の表情も豊かになる。そんな森の中をのんびりハイクできるのは泊りならではの贅沢。雪質は刻々と変わり、少し雪が重かった場所もスキーが良く走るようになる。硬くなる前のおいしい瞬間を逃さぬようにハイクに励む。

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シアワセトラックスその1

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シアワセトラックスその2

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シアワセトラックスその3

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明日向かうサクドガ森方面を望む。果たしてどんな斜面、森が待ち受けているかだろうか?雪はどこまで繋がっているだろうか?

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ナイスな夕刻。昨日は谷間に幕営しただけに、今日のこの開放感はとても印象に残った。

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テントの入口から早池峰山を眺めながら、今日一日を振り返る。念願の青松葉山は山頂からどちらへ向かっても楽しめる斜面が広がっている。今日滑ったのはそのほんの一部でしかない。できるならあと一日ここに滞在して探索したいぐらいだ。アプローチはやや距離があるが、この山は滑る対象としてもっと注目されてもよいと思う。特にテレマークスキーに好適な斜面が多く存在している。

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フィナーレ。この後、次第に風が強まり、ついにはガスに包まれたのだった。明日はいよいよ里へ降りる。滑り要素よりも歩き要素の多い行程になりそうだ。

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今日のトラックデータ。

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